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サバニ船型の性能分析と歴史

サバニの性能を明らかにするため、ヨット設計家の故横山晃先生は、サバニの船型を詳細に分析している。その基となった線図は、横山晃先生が自ら実測したものである。
分析のためのモデルとしたのは、織本憲資さんが所有していた「おもろ」である。「おもろ」は、糸満はぎの木造サバニである。建造したのは、糸満のサバニ大工である、大城清さんだ。25歳の時だったという。

サバニの船型と比較をおこなったのは、ヨットと江戸前の和船であるニタリ、チョキとである。ニタリを長くしして、さらに造波抵抗を少なくした船がチョキである。江戸前の高速水上タクシーとして、吉原通いにも使われたとのことだ。
チョキは、ペリー艦隊が日本に来たとき、不法に内湾へ侵入するカッターの周囲を取り巻き、進退操船の巧みさと、カッターを凌駕するスピードで、ペリーを驚かせたのであった。ペリーはその航海記に、チョキのスケッチを残している。日本を辺境の未開国と考えていたペリーは、チョキの性能に驚嘆したのだろう。

チョキとサバニとでは、外見が全く違うように見える。しかし排水量の分布など、流体力学として見た船型は、双子と言っても良いほどの、驚くべき一致点を示したのである。その類似性は、おそらく東アジアを渡る造船技術者集団が存在したのではないかと、類推させる。サバニを巡る歴史的、技術的背景を、すこしでも知っていただきたいと思う。

ここに使用している図版などは、横山晃著「ヨット設計法」(舵社刊)から使用している。使用についは、生前に許諾を得ている。サバニについて、初めて造船工学的なアプローチを行った横山先生に、心からの敬意を表したい。なお「おもろ」は、千葉県立安房博物館(館山市)に展示されている。

サバニ「おもろ」のラインズとオフセット

3 コメント有り to サバニ船型の性能分析と歴史

  1. […] 所が併設されている。清さんは代々続くサバニ大工だ。質問すると、40年近く前にサバニ「おもろ」を、千葉の織本さんのために建造した。「おもろ」は横山晃先生が、船型を詳細に分析 […]

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